2008年11月19日 [09:15]   天皇杯 | スポーツ | 第88回天皇杯 

天皇杯4回戦 G大阪 vs 甲府

ACLを制し、アジア王者となったG大阪が、決勝から中3日で天皇杯4回戦に挑む。
おそらくJ1で3位以内という条件を果たすのが困難な情勢で、来年のACL連覇を目指す為には、天皇杯制覇をする必要がある。
対して、今季のJ1昇格は出来なかったが、天皇杯でリベンジをしておきたい甲府の一戦。

第88回天皇杯全日本サッカー選手権大会
5回戦 No.55 万博記念競技場/3,694人
G大阪 2-1 甲府
(G大阪)  山口智(80分)、佐々木勇人(104分)
(甲府) マラニョン(1分)
ホーム相当のG大阪のスタメンは、22 藤ヶ谷陽介、21 加地亮、2 中澤聡太、5 山口智、19 下平匠、20 倉田秋、17 明神智和、8 寺田紳一、10 二川孝広、9 ルーカス、11 播戸竜二の4-2-2-2。代表で中心の遠藤に橋本と安田理が離脱中の為、下平、寺田、倉田がスタメン起用される。
また、2トップにはロニーでは無く、播戸を起用と言う、Jリーグ仕様って言うところでしょうか。
アウェー相当の甲府のスタメンは、1 阿部謙作、32 杉山新、2 秋本倫孝、4 山本英臣、33 輪湖直樹、31 林健太郎、10 藤田健、7 石原克哉、9 大西容平、15 サーレス、36 マラニョンの4-1-2-3。J2での試合を観ていないのでどうとも言えないが、昨季と同様であれば、G大阪と同じく攻撃的なパスサッカーを志向している両チームの対戦は、盛り上がってくれると期待大。

G大阪、薄氷の勝利
立ち上がり、いきなりサーレスへのファールで、ゴール正面で甲府はFKを得ると、このFKは藤ヶ谷が弾き返すが、こぼれ球を右サイドで、甲府の林が拾って、一旦後ろに戻し、大西が放り込むと、ボールはファーサイドまで流れて、そこでノーマークでマラニョンが押し込んで、開始1分で甲府が先制。
G大阪の中盤の運動量がやはりと言うべきか、ACLから中3日で、オーストラリアはアデレードとの移動もあっての疲れはあるのか、少し乏しくて、なかなかパスが繋がらず、ルーカスが中盤まで下がってしまい、縦へとボールが入らない。
それに対して、甲府はサーレスとマラニョンを中心に大西や石原、藤田といった前線の選手のパス回しもあって、序盤は甲府が試合の主導権を握る。
25分過ぎから、G大阪もルーカスが前へと出て行くことで、高い位置で基点を作り、ルーカスや播戸の飛び出しでチャンスを作るシーンも出てくるようになるが、それでも全体的な動き出しが遅く、ただボールを回しているだけで、結果として奪われてピンチになると言うシーンもあったりと、G大阪らしさは観られない。

後半になると、G大阪は播戸に代えて山崎雅、寺田に代えて佐々木勇を投入すると、前線で山崎雅の動き出しや佐々木の縦横の動きで、スペースでボールを受け、前線からボールを追う事で、試合の流れはG大阪へと変化する。
試合の主導権はG大阪が握るようになったが、しかし、なかなかシュートにまでいけず、得点を奪えないまま時間だけが過ぎていく中、80分に右CKを佐々木のキックから山口が頭一つ以上抜け出したヘディングシュートを決めてG大阪は、同点に追付く。
同点にされた後、甲府は再び攻勢へと出て行くが、両チームともゴールを決めきる事は出来ず、勝負は延長へ。

延長前半終了間際、前線へとポジションを上げたルーカスをターゲットに入れたクロスを甲府がクリアしたボールが、佐々木の足下へとこぼれ、それを佐々木が豪快に決めて、G大阪が逆転。
延長後半も甲府が攻めるが、G大阪の守備を崩しきれず、逆にG大阪に決定的なチャンスがあったりして、そのまま試合終了。
J1で3位以内に入るのは、困難な状況で、G大阪はACL2連覇に向けて、まずはACL出場権を得る為の天皇杯優勝へ向けて一歩踏み出した。

動き出しの重要性
前半のG大阪の出来は、正直良くなかった。
倉田にしても、寺田にしても、パスサッカーを志向するG大阪の中で、十分力を発揮できるだけのスキルを持っている。
確かに遠藤が不在で、橋本も不在の中盤の支配力は下がるかもしれないが、それでも、その代役には十分な力を持っていると思える。
しかし、蓋を開けると、甲府のDF、特に中盤の底で守備に奔走した林の出来が良かったと言うのもあるが、それでも、G大阪らしいパス回しが全く出来ていなかったと言ってもいい。
理由は、おそらくボールをもらう方の動き出しが乏しかったからだろう。
結果的に、特に縦へのパスを入れることが出来ず、また、パスそのものを狙われてカットされ、そこから逆に甲府に繋がれてピンチになる事が多かった。
スペースに入ってパスをもらう、常にパスコースを用意しておく、そして、パスを受ける前にパスの出し先を見出す、それこそがG大阪の誇るパスサッカーだろう。
前半の出来が悪く、後半の出来が良かったのは、佐々木勇や山崎雅といった、うまく動き出しながらパスを引き出す、その動き出し、運動量があって、漸くG大阪らしい攻撃が出来るようになった。
ただ、足下の技術だけでなく、そういうボールをもらう動きがあって、初めてパスサッカーは成立する。
ACL決勝の舞台に立たなかった倉田や寺田が運動量に乏しく、スタメン起用されていた佐々木やその舞台に立っていた山崎雅が、パスを引き出し続けた、その皮肉を少し感じると共に、倉田や寺田は将来G大阪を背負って立ってもらいたい選手であろうが、やはり遠藤や二川にはまだまだ大きく差が存在するのを感じましたね。

甲府らしいサッカー
前半早々に先制して、その後、G大阪の攻撃に対して、高い位置から、それこそ、CFのサーレスが時にはゴール前まで戻ってきて守るなど、チーム全体で集中力の高い守りを見せていた。
ただ、G大阪の圧力は、やはりきついのか、少しずつ少しずつ、体力と集中力を削られたのか、試合時間が進むにつれて、G大阪の試合ペースになっていった。
それを押し返すだけの力は、甲府には無かった。それが、J1で上位、アジア王者にもなったクラブの勝負強さと迫力とJ2で苦戦しているチームの差だと言ってしまえば、それまでなのかもしれない。
しかし、甲府の出来は、間違いなくG大阪を慌てさせ、苦しめたのは間違いない。
今季の甲府のサッカーを初めて観たが、昨季J1で見せてくれたショートパスを繋ぐサッカーは健在で、それに関しては、全くG大阪にひけを取るものではなかった。
ただ、昨季と同じく、最後のところで精度を欠く事も昨季のままだった。
結局、前半優勢だった状況で、後1点が取れなかった事、それが結局最終的に逆転される要因だった。
それでも、マラニョンとサーレスという、昨季は得られなかったゴールを奪える選手を手にした事、これは大きいのではないか?
甲府が、今のままのサッカーを続けるのかどうかは分からない。
ただ、後少しラストパスの精度を高める事が出来れば、サーレスやマラニョンを本当に使いこなす事が出来れば、J1でも中位と十分にやりあえるだけのチームになれるんじゃないかな?

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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。