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2006年06月23日 [12:50]   サッカー日本代表 | スポーツ | A代表/2006 

4年後に向けて

日本代表のドイツWCが終わりました。
最後は、ブラジル相手に1-4の完敗でしたが、それでよかったのかも知れません。
戦っている選手は、実際世界との力の差を肌で感じているでしょうが、見ている私たちや、何よりサッカー協会とマスコミといった面々は、惜しい試合をすれば、それで納得してしまう可能性がありますので。
1-0で勝って、届かなかったねや、1-1で引き分けて、ブラジルに互角だったでは駄目だったんです。
1-4、何よりも得点にこだわった結果、1点しか取れず、チャンスも作れないという力の差、4年後に向けて、これを埋める戦いが始まったといえるでしょう。

では、全く歯が立たなかったのかといえば、これもそうではない。
オーストラリア戦のラスト8分、ブラジル戦の前半終了20秒。
1点を逃げ切るという事の難しさを痛感しながらも、それが出来れば勝てたのもまた事実。
その為の戦い方は、今大会あちらこちらで見せてくれています。
OGの1点をパラグアイから守りきったイングランド、コートジボワールの追撃を振り切ったアルゼンチン、セルビア・モンテネグロの反撃を封じたオランダなどなど・・・
また、日本と同じくパス回しを得意とする、メキシコやチェコ、それにアルゼンチンやブラジルの戦い方も参考になるでしょう。
そして、負けていても勝ちにこだわる気迫をオーストラリアや韓国から・・・。
まさに、WCは教材の宝庫でもあります。
4年後、今回のメンバーが全て揃う事は無いでしょうが、しかし、今回の経験がプラスになるようにしたいです。


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では、本当はもっと後にしたかったのですが、今大会の日本代表総括。

評価点
1 楢崎正剛 ** 試合には出れなかったが、シュート練習ではゴール前に立つ彼がいた。そして彼がいたからこそ、川口の頑張りがあったはず。
2 茂庭照幸 5.0 突然の追加召集ではあったが、良く代役を務めた。次回は中心として頑張って欲しい。
3 駒野友一 5.0 加地の代役として及第点。惜しむらくは、本来もっと精度がいい筈のクロスを見せられなかった事。茂庭と同じく、次は自分たちが主役です。
4 遠藤保仁 ** 今大会も試合には出れなかったが、それでも彼がベンチに控えているからこそ、福西も思いっきりいけたのでは。
5 宮本恒靖 5.0 肝心のブラジル戦に出れなかった事を誰よりも悔やんでいたでしょう。酷評されていますが、読みと体の寄せで十二分に役割を果たせていた。
6 中田浩二 5.0 ブラジル戦の途中出場も、ブラジル相手では持ち味を出す機会はなかった。ただ、ユーティリティな彼は全てのポジションの選手にとってライバルとして大きな存在でしたね。
7 中田英寿 6.0 クロアチア戦の終了後、ブラジル戦の終了後、崩れ落ちた彼の姿こそがプロフェッショナル。今大会はリーダーとしてプレーにも制約が多かった。また、若干パスの精度が悪いと言うよりも、日本では世界レベルのパスは強すぎる。
8 小笠原満男 5.0 今一歩及ばず。彼には、今からでも世界に出て、もっとスケールの大きいプレーを身に付けて欲しい。
9 高原直泰 3.5 模試が良くても本番弱ければダメ。FWとして、もっと前へ行く気持ちが本番でも欲しかった。アルゼンチンで培った泥まみれになっても押し込むゴールを見せて欲しかった。
10 中村俊輔 4.0 今大会一番残念だった。体調万全での彼を見たかったが、体調を整えるのもプロの仕事。まだまだ上にいける筈だ。
11 巻誠一郎 6.0 練習では仮想選手として相手。大一番のブラジル戦でボールを追い回す姿は彼の本領発揮でしょう。惜しむらくは、セットプレーも少なく、彼の頭が活かせなかった。次回は29歳、日本代表の絶対的なストライカーと言われるまで成長している事を期待。
12 土肥洋一 ** 体調が整わず、練習にも参加できなかったが、ブラジル戦で選手一人一人に声をかけるなど、最年長としてチームを盛り立てた。
13 柳沢敦 3.5 酷評されていますが、同じFWとしては、言い分があるのも分かります。ただ、点をとってのナンボの職業でもありますしね。
14 三都主アレサンドロ 5.5 大会前は酷評され続けましたが、終わってみれば、左SBとしても十二分に活躍できた。ただ、惜しむらくは、やはりその攻撃能力を十二分に発揮できなかった事かな。
15 福西崇史 5.5 日本が良い試合をする裏では、彼の中盤でスペースを消す働きがあったから。
16 大黒将志 4.0 日本代表の切り札。出場時間こそ少なかったが、彼ほど期待された選手も少ないでしょう。
17 稲本潤一 5.5 韓日大会の日本のワンダーボーイもベンチスタート。しかし、彼のあたりと攻撃意識は、日本を前へ進めるのに必要。
18 小野伸二 5.0 3大会目は、ほとんど試合に出れなかったが、次回は30歳だが、4大会目を目指せ。
19 坪井慶介 5.0 オーストラリア戦は彼の退場が痛かった。田中誠の穴は十二分に埋めれた。
20 玉田圭司 4.0 ブラジル戦の先制点こそ真骨頂。しかし、それ以外ではなかなか絡めず。年下ですがロビーニョを手本に更なる進化を。
21 加地亮 5.5 寸前のドイツ戦で負傷するものの、やはり日本の右SBは彼。慌てずきっちりと復帰した後の活躍はお見事。
22 中沢佑二 5.5 まさに日本の壁にまで成長しました。オーストラリアやクロアチアといった高くて強いFWに当たり負けなかった。
23 川口能活 6.0 合格点。今大会まさに守護神としてファインセーブを連発。確かに3試合7失点は少なくは無いが、贔屓目込みで、F組No.1キーパーは彼でしょう。
ジーコ監督 4.0 色々酷評されましたし、私もしました。勝っても負けても責任は監督に帰結するものですので、グループリーグ敗退という結果の評価。

課題
・1点先制しながら、勝ち切れない点
これは、選手・監督ともにギリギリのところでの経験の無さと言うのが響いたのでしょう。
今回のメンバーは、前回の韓日大会を経験したものや、オリンピックなどなど国際試合の経験はあった選手が揃ってはいたのですが、それでも他の所謂強豪国に比較して、試合運びが下手でしたね。

・自分たちのサッカーを見失った
ドイツ戦に良い試合をした結果もあるかと思いますが、マルタ戦以降、日本の良さと言うものが全く出てこないようになりましたね。
今日本代表は、中盤でボールを回してポゼッションを高め、相手の隙をついて攻めるというものであった筈。
しかし、その中盤でのボール回しを落ち着いて出来ず、初歩的なミスが多かった。
また、カウンターを狙いすぎて、タメを作る事が少なく、走り続けで体力を大きく失う結果につながった。

・コンパクトなサッカーが出来なかった
オーストラリアとクロアチアにはフィジカルで、ブラジルにはテクニックで押し込まれ、ズルズルとラインを下げてしまった結果、中盤でのプレスが効かなくなった上、DFラインと福西、福西と中田英、中田秀と前線という風に、広く開き、ラインが分断した所為で、簡単にゴール前に放り込まれ、また攻守の交代もスムーズに行きにくくなっていた。

・気迫が足りない
最後は精神論的ですが、同点にされた後、一気に意気消沈する。下を向くのは問題だ。常に前を向き続けたのは、川口と中田英だけだったように思える。
韓国やオーストラリアなどのような気迫が、多少のテクニックの差などを超えて、勝ちを呼び込む事になりますからね。


修正点
・ゆっくり落ち着く事、そしてとにかく厳しい経験をつむ事
勝っている時に、わざわざ急いで速攻をかける必要はないんです。
ゆっくりとボールを回し、相手が取りに来たときに、出来たスペース(隙)を利用してやる、隙がなければ、後ろに戻し、戻し切れなくなれば、大きく前の外へ蹴り出してやれば良いんです。
また、絶対的な厳しい戦いの経験不足。海外に出ているメンバーも常にピッチに立っているわけではない事実。
とにかく厳しいレベルでの試合が、レベルアップには不可欠。
Jリーグのレベルアップとともに、折角ACLがあるのですから、まずはこれに勝てるようにならなければ・・・。

・信じる自分たちのサッカーを確立
自分たちのサッカーをもっているチームは強いです。
強豪国と呼ばれる国々は、必ず自分たちのサッカーをもっており、苦しい時ほど、その原点に戻ります。
それには、Jリーグはこんなリーグだと言えるような、リーグの特色から欲しいところです。

・苦しい時こそ前線からのプレス
裏を取られたくないから安全策をとりたいと言うDFの考え方も分かりますが、全体的に間延びすれば、今のサッカーでは良い様に攻められ続け、結局失点する羽目になります。
とにかく、前で前で。その為には、どこのラインでボールを取りにいくかを、明確にする事と、勇気を持ってラインをあげる事、そして必ずボールに飛び込む勇気と、それをフォローする信頼関係などなど、一朝一夕にできるものではありません。
だからこそ、今から、クラブレベルから、そういった厳しい試合をする事が必要でしょう。

・気持ち
競った、ギリギリの勝負ではやはり気持ちが大事。
今大会を通じて、経験の差や気持ちの差で決着がついた試合が多く、圧倒的な実力差というものを感じる試合はほとんどなかった。
どんな場合でも全力を出し切る、そして何が何でも勝つという意識こそがプロですからね。


2010年
4年後の南アフリカ大会では、今大会の結果から考えて、アジアの代表枠が今回の4.5から、3.5、もしかしたら2.5にまで減らされる可能性が大きい。
その上で、次回からは今大会グループリーグを突破したオーストラリアも参戦してくる、苦しい戦いになるでしょう。
おそらく、日本史上最高の選手を集めた、今回の日本代表ですが、南アフリカで全員が揃う事は無いですし、またそうでないと困ります。
次は、アテネ五輪メンバーが中心となり、それに今回のメンバーと北京五輪のメンバーが周りを固め、現U-17のメンバーが入ってくるといった形が理想的でしょう。
監督は、正式には決まっていませんが、エメ・ジャケ氏か? ただ、監督には、とにかく若手の育成と日本全体のレベルアップを考えた選手選びを行っていただきたい。
また、サッカー協会には、4年間一人の監督を信じて通して頂きたいが、監督が安穏と4年間出来るのでなく、常に厳しい評価を行って欲しい。
マスコミに求めるのは唯一つ。正しく公正な放送をお願いします。少なくとも今みたいな、便乗主義的で、誤った意識誘導を引き起こすような放送だけはやめてください。
そして、我々サポータは常に厳しく、そして温かく日本代表を応援しましょう。間違っても、負けたから見る気を無くしたなどと言うのではなく、負けた、苦しい時にこそ応援してあげられる、誰が信じていなくても、サポータは最後まで勝利を信じてあげましょう。

まずは、アジアカップ!
これで三連覇を果たし、北京五輪では、最低グループリーグ突破。
そして、東アジアカップでは悲願の優勝。
更に、コンフィデレーションカップで、リベンジを果たしましょう。


長々となりましたが、ココまで読んでいただけたとしたらありがとうございます。
ただ、まだWCも終わっていませんので、別にブログを終わらせるとかって事はありませんので・・・(^^
ただ、思ったことを徒然と・・・
これこそが、ブログですね(^^

最後に、今大会は最終節を待たずにグループリーグ敗退をした国が多い中、最後の最後まで可能性を残してくれた。
そして、例え調子が良くなくても、あのクロアチアとオーストラリアを零封したブラジルから先制点をとった。
今回の日本代表に感謝と、そして私がサッカーを始めたきっかけでもあり、最も尊敬するフランツ・ベッケンバウアーの言葉を送りたいと思います。
「サッカーは人生と同じだ、いつも上手くいくわけじゃない」
そして
「サッカーを心の底から愛してこられたこと。強い意志で試合に臨めたこと。そして、運。この三つに自分は支えられた」
次の南アフリカ大会も期待しています。
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Re Comments.

部下Dさん、熱~いコメント有り難うございました<(_ _)>
2002日韓WCの後、日本中が日本がWCに出場するのは当たり前、そして決勝トーナメント進出も当然!という雰囲気になり、ジーコ監督も「世界をアッと驚かせる!」と宣言されていたこともあり私たちはずっとジーコと同じ夢を共有していたのだと感じます。「監督の経験がない」とか色々言われましたが、クリンスマンやファンバステンも同じでジーコよりずっと若いんですからね。2010WCに出場するには日本はこれまで以上に高いハードルを越えなければいけなくなるわけで、次の監督で又日本サッカーが後退することのないように願っています!!
2006/06/23(Fri) 15:21:37 | URL | ロベ父 #-[ Edit.]
『監督の経験』 
監督の経験の差って言うのも、今大会は出たと思います。
単純な采配ミスと言うのではなく、ココゾという時の思いっきりと、自信がやはり乏しい。
これは、ジーコ監督だけでなく、クリンスマン監督やファン・バステン監督も同様です。
どうしても無難だ選択をされています。ただ、彼らとジーコ監督との違いは、やはり無難な選択でも最高の結果を残せる選手がいるかどうかでしょうね。

次回WCは確実にアジアの枠が少なくなる。
そして今の代表メンバーの大半はピークを過ぎた後である。
その事を念頭において、監督選びは行って欲しいものです。
少なくとも好き嫌いや客が取れるとかで選ぶ事だけはしないで欲しいです。
2006/06/23(Fri) 17:50:15 | URL | 部下D@管理人 #rfd0pXqk[ Edit.]
『』 
おジャマします。
コメントありがとうございました。

納得の批評、いつもうなずきながら拝読しております。監督がいかに重要か、という4年間でもありましたね…
失敗…ではなく教訓としてわれわれサポ-ターも2010へ向けて再出発ですね。

ベッケンバウアー…私も大好きでした。ドイツサッカー大好きですので。といっても生映像はコスモス時代だけですが……
私はマテウス&フェラーです。

またおジャマいたします。もちろん応援して参ります。
2006/06/24(Sat) 01:50:40 | URL | hideshin #-[ Edit.]
いらっしゃいませ。

私がサッカーを始めるきっかけになったのは、叔父の持っていた74年WCの試合を観たからなんですよね。
今見ても、オランダのトータルフットボールもベッケンバウアーに率いられた西ドイツのプレーも鳥肌が立ちますよ。

やはり、日本を強くするためには、代表の試合だけを応援するのではなく、Jリーグからレベルの底上げのために応援していかなくてはね。
今回の大会は、サポータにも良い勉強になったのではないでしょうか。
ただ、行き過ぎてフーリガン化だけはしないようにね(渋谷で暴れているのとか、絶対フーリガン扱いされてもおかしくないから)
2006/06/24(Sat) 06:16:45 | URL | 部下D@管理人 #rfd0pXqk[ Edit.]
『』 
今更かもしれませんが、ここまで冷静な批評は初めて見たように思うのでコメントさせていただきます。
自分にとってはこれが初めてのW杯でしたが、苦い思い出とともに世界のレベルというものをよく知る事ができ、いい勉強にもなりました。4年後、新たな世代が中心となるW杯で日本がリベンジするのを信じ、これからも応援を続けて行こうと思っています。
2006/06/24(Sat) 16:13:35 | URL | Gradi #jTfaesuE[ Edit.]
Gradi様
コメントありがとうございます。

アジアと世界のレベル差は大きく、それは今大会アジア勢が一ヶ国もグループリーグ突破を果たしていないことからも明白ですよね。
ただ、世界に対して戦う事の厳しさを、今大会参加した全てのメンバー(サポータ含む)が、忘れず伝えていくことが出来れば、まだまだ日本は強くなれるはずです。
一緒に応援していきましょう。
2006/06/24(Sat) 23:56:32 | URL | 部下D@管理人 #rfd0pXqk[ Edit.]
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。