2012年10月02日 [05:07]   サッカー五輪代表 | スポーツ | ロンドン五輪2012 

ロンドン五輪男子サッカー 総括 その2

さて、今更ながらにロンドン五輪での男子サッカーを振り返っているのですが、今回は、その2回目と言うか、これで終わりですが、本大会でのサッカーをもとに、感想と総括といきます。
長くならないようにしますね(^^;ゞ

ロンドン五輪本大会
グループD

スペイン 0-1 日本
日本 1-0 モロッコ
日本 0-0 ホンジュラス
準々決勝
日本 3-0 エジプト
準決勝
メキシコ 3-1 日本
3位決定戦
韓国 2-0 日本


さて、最後の最後で韓国に敗れてしまって、メキシコ五輪以来のメダル獲得こそならなかったものの、ベスト4進出と、良い結果を出したと言える。
見事な結果を出したのですが、それをそのまま手放しでOKとするよりも、どうだったかを考えるべきだろう。
個人的には、今回の結果を考えると4つに分類できる。

1.リベンジ
2.スピード
3.バランス
4.目標


1.リベンジ
リベンジと一言に言っても色々ある。
この世代は、U-20WCに出場できなかったし、トゥーロン国際でも良い所は無かった。
ただ、最大のリベンジは、やはり南アWCのリベンジと言えるかもしれない。
オシム監督がまさかのリタイアで岡田監督に代わってアジアを突破した日本代表が挑んだ南アWCでは、現実的な戦い方のもと、見事にベスト16へと駒を進めた。
それ自体は素晴らしい結果でしたし、岡田監督の現実的な手腕と言う事も出来るでしょう。
しかし、オシム監督以来目指した日本らしいサッカーと言うのは、見出せなかった。
最終ラインの前に一人置いて、ゴール前にブロックを作ってまずは守り切る、そこからカウンターを仕掛ける、出来なければ本田圭が体を張ってキープして、両サイドが裏に入って行ってゴールを狙い、それすらできなければセットプレーをもらってゴールを狙うという徹底的な安全策と言うべき戦い方だった。
それが悪いわけではないが、それなら別に日本でなくても良い。
日本らしいサッカーを狙う上での4-2-3-1と言う戦いで、岡田監督は守備を結局作り上げられなかったからこその現実的な戦い方になった。
確かに運動量を活かして、追い回すことが出来る間は、大概の相手に五分以上に戦えるだろう。
それでも、相手がそれを知っていれば、序盤は長短のボールでこちらを走らせて疲弊させた終盤勝負を挑んでくるでしょうし、事実、日本は、この戦いを90分間続けられなかった。
それは、岡田監督が守備の仕方を知らなかったからだろう。
それが、守備の文化をもつイタリアのザッケローニ監督が就任した事で、日本に守備の仕方を伝える事が出来た、それが、U-23代表の守備になった。
ボールを奪われた所で、高い位置からプレスを仕掛けるのは変わりないが、しかし、無闇やたらに追いかける訳ではなく、すぐに守備へと切り替えた所で、奪えなかったら、一旦ブロックを作りサイドに追いやりながら数的有利を作って潰していく。
運動量は確かに必要だが、無闇に追うよりもしっかりと取り所を見出しているのと、移動距離の少なさで体力的には厳しくない。
結果として、準決勝でメキシコに敗れるまで、無失点で戦い抜いた。
ま、失点の影響に一つは、永井謙が高い位置からスピードで追う事で相手の最終ラインでボールを持たせなかった事も、中盤に良い形でボールが入らないという事で、日本の守備が活きた要因だったと言えるだろう。
とにかく、守備の仕方を見出したことで、日本らしいサッカーの形が見えてきた、南アWCで出来なかった事を考えても、リベンジが出来たと言えるだろう。

2.スピード
日本らしさという所で、フィジカル的に劣るものの、アジリティの高さ、所謂俊敏性の高さが日本の特色だと言われてきた。
事実、現在香川真や乾など、世界レベルで通用しているアタッカー陣は、体格的に劣るものの、その素早い身のこなしなどを活かして結果を出している。
その究極の存在が永井謙と言うスピードスターだったのかもしれない。
アジア大会でアジアの得点王に輝き、その後、Jリーグで少し出場機会を失って低迷していたものの、直前のシーズンで復活してきての大活躍。
欧州各リーグの主要クラブにも目をつけられた。
ただ、それ自体は永井謙と言う特異な個性であり、他に彼のような選手が続々と出てこないと、仕方が無い。
但し、一つの育成の目標が見えた事も事実だろう。
これまで、1トップと言えば、体を張れる、ポストタイプが選ばれてきていた、事実A代表も、前田遼にしろ、李にしろ、ハーフナーにしろ、身長があってボールをおさめる事が出来る選手である。
しかし、永井謙―実際には大津祐とどちらが1トップとなったかは流動的でしたが―は、見事に結果を出したし、現在のJ1で広島の佐藤寿がついに結果を出しているように、1トップと謂えどもサッカーによっての多様性の可能性を証明した。
そこで、スピードと言う事になるが、その上で、日本人の特徴と言う勤勉さによって、そのスピードを活かして前線から追いかけ、プレスを仕掛けた。
冗談のようだが、スペイン紙では、最終ラインでボールを回してもいきなり奪いに来る永井謙の存在が、悪夢のようで、DFはボールを持つのが怖くなったという風にも書かれた。
攻守共に、スピードを活かしていく事で、日本らしいサッカーを作り上げる事が出来るし、永井謙を特異な存在とするのでなく、スピードのある選手の育成と言うのも重要になってくるだろう。

3.バランス
さて、プラス面だけでなく、今大会でのマイナス面を。
それは、とにもかくにもバランスの悪さだろう。
とにかく、トップギアで最初から戦う事をしてしまって、ペースダウンをする事が出来なかった。
元々、日本はそういうテンポの変化、流れを意図的に変えるというのが苦手だが、それを踏まえても、特に遠藤をOAで招集できなかった影響と言うべきか、試合の中でゆっくりと落ち着くことが出来なかった。
この辺の所は、プレースタイルと言うか、センスと言うか、今の日本の中でも出来る選手がほとんどおらず、遠藤でさえも世界レベルで通用するとは言えないだろうが、遠藤以外には、梶山陽くらいか、今後、柴崎岳の成長が待たれる部分ではあるが、とにかく、常に一定のペースでは相手に読まれ易いですし、トップギアでは、体が持たない。
実際の所、スペイン戦では素晴らしいサッカーをしたが、徹頭徹尾、トップギアだった影響で、次のモロッコ戦は勝つことは出来たものの、急激な質の低下を招いている。
ここでGL突破を決めていた為に、ホンジュラス戦では選手を入れ替えるなど、体力回復に努めた為に、エジプト戦では見事なパフォーマンスを見せた。
しかし、結局、ここでのパフォーマンスの結果、また、永井謙が負傷した影響もあるだろうが、メキシコ戦と韓国戦の日本のサッカーの質は、大きく落ちていた。
つまり、1試合の中でのペース配分は、突き詰めれば、大会全体でのペース配分にもつながる。
今後、本当に更なる高みを目指すのであれば、こういうバランスを考えていかないといけないだろう。

4.目標
さて、最後になるのだが、とにかく、日本が五輪をどう考えるのか目標を立てる事が大切。
前回のエントリーでも書いたが、五輪のサッカーと言う存在が、今の所曖昧な立ち位置にある為に、どうしても、どういう形で挑むのか明確にならない。
ただ、個人的には今の日本は、この五輪でメダルを狙うべきであり、とにかく勝つことを狙う。
その結果で、選手は成長して行ってくれる。
先日、関塚監督が五輪代表監督を辞任して、A代表コーチからも離れたわけですが、次の五輪は4年後。
それを、いつも通り、WC終了後の2年間で考えるのではなく、現段階から、メダルを取るんだという事で準備を始めるべきである。
直前でバタバタと選ぶのではなく、ましてや、五輪の出場が決まってから、五輪をどうしようではなく、五輪が終わった瞬間から、次の五輪の目標を定めて動き出すべきである。
その結果、五輪に出場できないとか、五輪に出場できないんじゃないかという事になれば、監督交代を含めて、責任を取るべき人が責任を取るべきである。
それを出来るのは、やはり明確にどうするという目標があって初めて成り立つ。
そして、五輪で勝利する事が出来て、次は、2050年の誓いであるWC優勝を手にする事も見えてくるだろう。
WC優勝の為に、五輪で結果を出す、その為にU-20で、U-17で、と考えるべきであり、現在で言えば、リオ五輪の主力になりえる、現U-19代表をどういう方向に、そして、どう世界を経験させて、成長させていくかという事が大切になる。
今からリオ五輪の話をした際に、まだ出場も決まっていなのに気が早いなどと言う迂遠な事を言っているようでは、いつまでたっても成長は無いだろう。

今大会の検証をしっかりと行った上で、どういう方向に向かい、どうやって今度はメダルを取るのかを考えて、今から動いていないといけないという事を考えるべきである。
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。