2012年11月04日 [04:37]   映画の感想 | 映画 | 実写映画感想 

のぼうの城を観てきました

以前から、映画館でのCMなどもあって、期待していた「のぼうの城」を観てきました。
史実をベースにした話で、それをどう味付けしてきたのか。

いつも通りネタバレありですので、この後はご注意を。
感想は、期待通り面白かったですね。

実際の戦いで、舞を舞ったのかは分からないが、舞の為に野村萬斎にしたのか、野村萬斎だから長親を舞わせたのかどちらでしょうかね。
ただ、流石に狂言師、本職ですよね、船の上での見事な田楽舞を見せてくれました。

さて、史実でも、忍城は秀吉の北条征伐の際に、唯一落ちなかった城だと言われている。
そして、その際にも3000の兵で、23000の兵を打ち破っている。
元々、忍城は、武田家や上杉家との戦いの中でも落ちてこなかった事で、守戦において絶対の自信があったのでしょうね。
だからこその籠城戦だったという事だろう。
湖と言うか沼の上に橋をかけての浮城と言う形で、攻め手にとっては、攻め口が限定されて戦い辛い城だったという事で、初戦の真っ向勝負は三成側が完敗。
だからこそ、水攻めでしょう。
実際の地形が頭にないので、それが正しい策かどうかは分からないが、少なくとも、史実においては、この策は失敗で、確かに城の大多数は水に浸かったものの、決死隊によって堤を破壊されて、逆に、その水で被害が出た上、元々が沼地だった事もあって、水が引いても地面がぬかるんでいて攻める事が出来ないという事になる。
この辺の所が、三成が軍略が苦手だといわれる所かもしれないが、彼自身が、潔癖すぎるというのが問題なのかもしれませんね。
この映画の中でも、その潔癖な所が出てきて、圧倒的な力の前に、北条側の支城が降伏するのを見て、戦う気概のある相手がいない事に憤りを感じていた。
だからこそ、軍使には、相手を煽るという目的で、正家に任せて、見事に戦にする事が出来た。
本来、政治家と言うのは清濁併せ呑む度量が必要で、潔癖なだけだった三成だからこそ、秀吉死後、各大名が離れていく事になり、更に軍略、戦においては、兵は詭道なりと言われる通り、相手に対して裏をかくような騙したりという事が出来ないといけないだけに、三成には無理なんでしょうね。

しかし、先に書いたように三成が潔癖と言う部分が出ていたが、話の展開の影響でしょうか、所々ぶれていたのが勿体なかったな。
潔癖な戦いたいという部分を見せておきながら、田楽舞を舞う長親に対して、銃で撃つというのは、三成らしくないだろう。
確かにストーリー上では、あそこで撃たれないといけないから仕方が無いが、うーん、この辺、どうせなら、三成ではなく、正家あたりが勝手に撃って、後で叱責されるような形の方がしっくりくるんだけどね。

さて、ストーリーの中で、史実と異なる部分は随所にあるが、それは、話を作る上で大切な部分であるので良い。
特に、堰は、自分たちで崩すのではなく、作った百姓自らが崩すというのは、話として面白くしていた。
そして、この話の流れの中で感じたのは、人々に好かれる長親と言う城代は、ある意味、秀吉の鏡写しだろう。
人たらしと言う評価もあり、人に好かれる事を計算と天然でやっていった結果天下人になった秀吉だが、その秀吉に最も愛された家臣である三成が、人々に好かれて、それによって、皆が彼の為に戦おうしている忍城と言うのは、ある意味秀吉のような相手という事になるんだろうね。

また、長くのぼうだった長親だが、締めるべき所、ようは戦いを決める部分では、誇りの高さ、関白の威を借りて、2万人を超える兵で囲み、脅しながら、命を助けてやるから降伏しろと迫る、さも、相手に選択の猶予を与えているようにも見えるが、上から見下した形であり、それが戦国の習わしと言うか、弱肉強食の摂理に従えば当たり前の話かもしれないが、それを納得できなかったからこその戦い。
武士としての誇りの問題でしょうね。ま、この辺は、エンターテイメントとして分かり易く女性との絡みという事で、甲斐姫との関係も匂わせたんでしょうけどね。

そして、ラストで忍城に入城した三成以下の3人の将に対しての啖呵など、のぼうののぼうたる部分が偽りという訳でもないでしょうけども、本来、父親である泰季に負けず劣らずの武士の気概を見せたのが本質なのかもしれませんね。
そういうギャップではないでしょうけども、史実をベースに面白い作品になっていましたね。
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。