2013年04月18日 [21:00]   サッカー日本代表 | スポーツ | 日本サッカー 

ザッケローニ監督への批判への疑問

さて、先日というには少し時間が経ちましたが、日本代表は惜しくもアウェーのヨルダン戦に負けてしまって、世界最速でのWC出場はお預けとなってしまいました。
それはそれで、残念ですが、ここぞとばかりに批判が発生しましたね。
さて、最初に言えば、個人的には、ヨルダン戦の結果は残念ですし、その采配に疑問が無いわけでも無い。
ただ、あの試合を含めて、問題点をそれぞれ考えて出していくのは、有益だと思うんですが、時に、批判の為に批判する人がいる。
それを、雑誌等でお金を取る人が書いてはどうなんだろうか?

サッカー日本代表・ザックの“海外組偏重”に集まる批判「ジーコジャパンの悪夢、再び」か……(日刊サイゾー)
別にこの記事だけが悪いわけでも無いが、しかし、あまりに稚拙な内容だったし、結論ありきで書いているのが丸わかりであるだけに、少し気になったので、この記事に対する批判を上げていきたいと思っている。

アルベルト・ザッケローニ監督が来週にも離日する。目的は6月4日に行われる同予選オーストラリア戦へ向けた海外組の視察。だが、こうしたザッケローニ監督の海外組偏重に対して、批判の声も高まっている。
(中略)
4月はJリーグのほかにも、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)で日韓クラブ対決もあるというのに、今季は一度も視察をしていません。
(抜粋)

来週に離日する事が何か問題なのでしょうか?
疑問なのですが、毎週Jリーグの試合をTVで観戦していますが、何度もザッケローニ監督が視察に来ているという情報が出てきましたが、はて、一度も視察していないというのは本当か?
更に言えば、ACLでの日本と韓国のクラブ対決がそれ程重要なのだろうか?
来月5月と言えば、大体の欧州リーグが終わる月であるし、来週にはCLの準決勝が行われる。
もし、本当に日本のサッカーを考えるのであれば、今の世界のサッカー事情を知る必要もあり、その為には欧州のサッカーをしっかりと視察しておく必要もある。
つまりは、今年から来年の世界のサッカーのトレンドを考えていく上で、そして、CLと言う最先端を見る必要があるとすれば、この時期に日本にいるよりも欧州に行く方が正しいのではないか?
日本にいて、Jリーグを視察するだけでは、結果として井の中の蛙状態になりかねない。
ただでさえ、日本は辺境にあるという事実を考えれば、積極的に欧州のサッカーを観に行く必要はあると思いますけどね。
ま、これは考えの問題だけですが、少なくとも批判が高まっているという事は無く、以前から問題視する人はしているし、していない人はしていない。
但し、事実として言えば、ここ何代の代表監督の中でザッケローニ監督ほど積極的にJリーグの試合を視察しにスタジアムに足を運んだ監督は居ない。

さて、本題と言うべき、ヨルダン戦の采配についてですが・・・

そもそもヨルダン戦でも、国内組の中村憲剛(川崎フロンターレ)ではなく、海外組の香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)をトップ下に起用したためにチームが機能せず、混乱を来した。
「この試合は本田圭佑(CSKAモスクワ)がケガで欠場したために、トップ下に誰を起用するのかが焦点でした。ヨルダンに勝って本戦出場を決めるのはもちろんのこと、本戦へ向けて本田不在の際のオプションを探るための試金石となる試合でもあったんです。
(抜粋)

先に書いたように、個人的にはヨルダン戦の結果は残念であり、その采配に疑問があった。
その最大の部分が、カナダ戦で機能した中村憲ではなく、香川真をトップ下に起用した事であるのも、考え方としては一致している。
但し、それは、この試合に勝つためだけで考える話である。

もはやW杯出場は“鉄板”なんだから、新戦力を試すべき。日本の目標は本戦出場ではなく、W杯ベスト8なんですから、アジア最終予選なんてチーム強化を図りながら突破するぐらいじゃなければ、本戦でベスト8なんてとてもじゃないけどおぼつかないですよ
(抜粋)


上記の意見と、今回の意見ははっきり言えば矛盾している。
先に書いたように、中村憲を起用すべきと言うのは結果を重視する為であり、将来的な新戦力として考えるのであれば、中村憲を起用する方が間違っている。
何故なら、過去に本田圭が起用できない時にトップ下で起用されてきたのは中村憲であり、中村憲のトップ下起用は新戦力の実験ではなく、今の序列のままである。
逆に言うと、本当に本田圭が不在の時の新しいオプションを試すというのであれば、それこそ香川真のトップ下起用が正しい判断である。
そして、ここで香川真を起用した事で、この記事のサッカー専門誌関係者よりも、当たり前かもしれないが、余程ザッケローニ監督の方が先を見据えた采配をしていると言える。
つまり、先の新戦力を試す為に中村憲を起用しなかったなどと言う批判は、的外れ以外の何ものでもないし、それこそ、香川真が左でプレーするのと、トップ下でプレーするのでは、日本サッカーそのものが変化しないといけないというサッカーにおいての当たり前の事実を無視しているとしか言えない。
本当に、この記事に出ているサッカー専門誌編集者はサッカーを見ているのだろうか?

結局、海外組重視という序列は揺るがず、中村としては『やってられない』という気分だったと思いますよ
(抜粋)

これにしても、別に中村憲に聞いたのかとか言うつもりは無いが、序列という意味では、これまでも本田圭の次のトップ下は中村憲であり、今回、香川真を試したという事であって、海外組偏重と言うのはおかしい。
その上で、海外組偏重が悪くないのは、海外へと出ているメンバーは、それは海外で認められた選手でもある。
何よりも香川真は、世界でもトップのクラブであるマンUに認められて選ばれている、他にも、欧州からオファーを受けて移籍した選手たちであり、彼らがJリーグの選手よりも劣っているか勝っているかと言う意味では、勝っていると判断してもおかしくないだろう?
アルゼンチンやブラジルでも、更にはアフリカ大陸の国々だって、欧州でやっている選手を優先する事が多いだろう?
それを偏重と言うか? そうではなく、結果が出せないという事を批判すべきであり、欧州組だからとか言うのは、逆に言えば、その欧州とか海外に自らが縛られているという事だろう。
極論で言えば、調子の有無に限らず遠藤や今野泰、点を取っていないのに前田遼を起用しているが、それはJリーグ偏重じゃないのか?
大切なのは、その時のチームにとってどうであるかと言う事で、その結果が欧州組が多いか、Jリーグ組が多いかは、ただの状況でしかない。

ましてや、

こうした状況は、06年の独W杯で惨敗したジーコジャパンを思い起こさせる。当時も好不調にかかわらず欧州組が重用され、「黄金の中盤」などともてはやされながらグループトーナメント敗退という体たらくだった。ザッケローニの過剰な海外組偏重がこのまま続けば、「ジーコジャパンの悪夢、再び」ということにもなりかねない。
(抜粋)

等と言う批判は的外れも甚だしい。
確かにジーコ監督は就任1年目に欧州組の、中田英寿、中村俊輔、稲本潤一、小野伸二を中盤に配した。
それをマスコミがジーコ監督の代表時代とかけて「黄金の中盤」と評したが、持て囃されたかと言えば、そんな事もないし、そもそもマスコミが言うだけで、「黄金の中盤」のような不吉な表現は不評だったりもした。
ましてや、実際には中盤を4人で構成する際には、中田英と中村俊は起用され続けたが、他は小笠原と福西が選ばれていて、最終的にメンバーが選ばれる際に、フランスで結果を出していた松井大を選ばなかった事で、批判が出ていた。
ジーコ監督の采配で、メンバーを固定化したという事を批判するならば間違ってはいないが、欧州組偏重と言う表現は勘違いも甚だしい。
つまり、この記事はこの批判を書きたいが為に作られているように思えるが、ザッケローニ監督が欧州組が多いスタメンを選んでいる事を批判するためにジーコ監督を引き合いに出したこと自体が間違っていると言わざるを得ない。
そして、固定化に関して言っても、以前までであれば、批判的な考え方をしていたが、ドイツWC以降、少しずつ考え方は変わって、最近では固定化自体は悪い事だと思わない。
そもそも、日本人が個人レベルでは世界相手に五分で戦うのは難しい。となれば、チームで戦っていくしかないとすれば、そのチームとしてまとめる為に、ある程度ユニットを作って、それをベースにチームを作るしかない。
つまり、固定化させるのは間違っていない。
その上で、たまたまですが、今の代表は負傷者などの不測の事態もあって、色々と選手を試している。
事実、各ポジション選手が変化している。そして、ここが重要なのだが、まとめて多く変更したら、先のベースを作る事が出来ないので、それぞれの試合で試せるのは2、3人位だと考えるべきである。
ザッケローニ監督にとっては本意じゃない部分もあるかもしれないが、スタメンを入れ替えて戦う必要があって、色々と選手を試している事実を無視するべきでもない。

つまり、スタメンを固定化させている為に、不測の事態に対応し辛いという批判や中村憲を起用せずにヨルダン戦負けた事に対する批判であれば、それは、間違った話ではない。
それぞれのサッカー感に基づく部分でもありますからね。
しかし、批判がしたいがために、意味不明なジーコ監督を引き合いに出したり、新戦力のテストとしての中村憲の起用と言う批判だったりとする、今回の記事は間違っている。
結局、こういう批判をする為だけの批判記事は、先に書いたように、日本サッカーになんら益するものではない。
固定化するべきでないと言うならば、やはり遠藤の代わりをどうするのかを語るべきでしょうし、新戦力と言うのであれば、今まで招集していない選手だったりする方が批判として正しい。
それをこういう記事を書けば、観てない人だったりすれば、正当でないマイナス評価をする結果になって、それは、日本サッカーを正しく議論する上での足かせにしかならない。
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。