2015年06月17日 [08:11]   FIFAワールドカップ | スポーツ | AC/UAE2019 

WC2018兼AC2019予選 日本 vs シンガポール

ロシアWCとUAEACに向けての初戦。
謂わば本番の戦いが始まるわけですが、正直言って、この2次予選は、以前も書いたように実験の意味合いが強い。
負けるというのは論外であり、勝って当たり前として、その上で、内容が将来に繋がるかどうかと言う風に見ていくためにも、ハリルホジッチ監督がどういう意図を持っているのか、それを知る必要があるかもしれない。

2018 FIFA World Cup 兼 2019 AFC Asian Cup Round 2
[4]グループE 日本・埼玉スタジアム2002/57,533人
日本 0-0 シンガポール
日本のスタメンは、こんな感じ。
WC2018・AC2019予選日本vsシンガポール
先日のイラク戦から、スタメンが左SBの長友佑に代えて太田宏を入れてきただけで、他は同じメンバーを起用してきた。
ただ、ベンチ入りメンバーを含めて、アピール合戦にはなってくるだろう。

前半
日本のキックオフで試合開始。
立ち上がりから日本はボールを持っているが、動きが乏しく、ミスも目立っていて、予想通り引いて守るシンガポールのDFを崩すことが出来ず、それどころかパスミスが目立って攻め手が見出せない。
17分、高い位置で長谷部誠がボールを奪うと、一気にカウンターを仕掛けて、本田圭が右サイドから裏に抜けてクロス、それをニアで岡崎慎が合わせるがシュートは枠を外す。
なかなか日本はペースを作れない中で、30分には、宇佐美貴から岡崎慎へ良いパスが入ってシュートまで行くが、しかし、GKの好セーブに防がれる。
結局、前半は何度かチャンスがありながらもゴールを奪えず、スコアレスで折り返す。

もどかしい前半
正直、この言葉が一番あてはまる試合だった。
確かにシンガポールの選手は守備において、ほぼ全員がゴール前に戻ってブロックを作りながらも、こちらの前線の選手にはマークを付けるなどガッチリとした守りで、攻めに転じても、ほぼ3人から4人が攻めてくるが、それ以外の選手は自陣から動かない位徹底して守っている。
そして、その守備は非常に集中していて粘り強く、ギリギリの部分では日本に競り勝ち、その上で最後の部分ではGKが非常に良い反応を見せている。
結果、日本にとって、守備面において、少々自分たちのミスで危ない場面はあったものの、点が取られるという危機感は全く感じない試合であった。
但し、こんな事は、始まる前から予想できていた話である。問題は攻撃においてで、これまでの日本が、過去3試合で点が取れていたのは、親善試合・強化試合で相手も仕掛けてくるからこそ、奪ってからの切り替えの早さでカウンターを仕掛ければ、裏を取れてチャンスを作って点が取れる。
しかし、アジアにおいて、それこそこういう真剣な試合であれば、日本相手に無理に攻めず、特に日本のホームであるから、シンガポールにとってはドローでOKであり、そうなると全く攻めてこないとも言える。
そういう相手に対して、早い攻めだけで崩せるわけがなく、それよりも、ゆっくりとボールを繋ぐことや、個人技で一人二人かわすプレーが重要になってくる。この辺が、日本がアジアと世界との相手の違いでサッカーを変えざるを得ない、つまり、世界仕様の日本サッカーを作ろうとした結果、アジアでは効果を発揮しないという状況に陥っている。
そういう戦術的な事の上で、個々のサッカーの歯車がズレているのが問題。
典型的なのが、岡崎慎や本田圭は裏を狙いたいのだが、そこにパスが入らず、もしくは、無理にグラウンダーに通そうとした結果、DFに引っかかる事が多く、対称的に宇佐美貴や香川真はボールをもらうために下がってしまって、その上で、足下でボールをもらうので、なかなか反転する事が出来ずに結果、そこを狙われる場面もあった。
こういう試合では、長谷部誠と柴崎岳のアイデアに、後は、前線の動きを増やすと同時に、縦に急ぐよりも、横でギャップを作るまで回す事だって必要になってくる。
とにかく、課題噴出の前半だが、それを後半は活かして、点を取って欲しい所だ。

後半
両チームとも交代は無く、シンガポールのキックオフで後半開始。
後半は、シンガポールも繋いでくるようになって、少し日本が守備が機能せず、ボールを奪えないシーンもあるが、日本が優勢と言う流れは変わらず、56分には、岡崎慎の強烈なヘディングシュートもGKが弾いて、更にゴールに吸い込まれていくボールに対いしても、ラインを割る寸前にかきだす。
なかなか点が取れない日本は、61分、香川真に代えて大迫勇を投入、大迫勇と岡崎慎の2トップにする。
63分には、左サイドを突破した宇佐美貴のゴールに向かうようなクロスをGKが弾き、そのボールを本田圭がヘディングするが、体勢を崩していたGKの正面にシュートは飛ぶ。
68分には、右CKからゴール正面で吉田麻の裏でフリーになった本田圭のヘディングシュートは、ここもGKのビックセーブで止められる。
更に日本は、71分、柴崎岳に代えて原口元を投入し、更に前の人数を増やす。
72分には、ゴール正面の良い位置で得たFKを本田圭が直接狙うが、これはポスト、そして、跳ね返ったボールを宇佐美貴がシュートに行くが、このシュートはGKが止める。
78分、日本は早くも最後の交代として、宇佐美貴に代えて武藤嘉を投入する。
足を攣る選手も増えた中でシンガポールは80分、5番Khaizanに代えて16番Firdaus KASMANを投入する。
86分には、シンガポールは19番Khairul Amriに代えて20番Khairul NIZAMを投入する。
アディショナルタイムには、10番Fazrul SHAHULに代えて2番Yasir HANAPIを投入する。
最後までゴールを奪えず、スコアレスドローで、日本は発進。

アイデア不足
シンガポールにとっては、勝ちに匹敵するというか、狙い通りとなった結果であり、日本にとっては最悪ではないが、悪い立ち上がりとなった。
これがWC予選の難しさだと言えば、それまでだが、はっきりと言えば、いつまで同じことを繰り返すのかと言うところだろう。
先にも書いたが、親善試合のように相手も多少負けても自分たちの力を発揮する事を意図して、格下となる相手でも攻めてきてくれる。
これは、日本だって、欧州遠征でガチガチに守って戦わないように、相手もそういう戦い方をしてくれるので、奪ってから早い攻めで崩す事が出来る。そして、その奪ってから早い攻め、カウンターを主体とした戦い方は、それこそ、WCなどの舞台や、アジアでも最終予選クラスで出てくる相手であれば有効だろう。
但し、このレベルの相手は、人数をかけてガチガチにゴール前を固めてくるのはいつも通りであり、そういう相手には早く攻めたとしても、なかなかスペースを作ることなどできない。
そういう相手に対してどう崩すのか、そのイメージがほとんど無かった。
極論としてしまえば、吉田麻のような高さで勝る所に、シンプルに当てて行くのも一つの手であるし、その為には、それこそ、豊田陽のような選手を招集して前線に配するという、本来とは違う事をやる必要もある。
また、相手DFを前に出すなどギャップを作る事が必要で、以前であれば、調子が良い時の遠藤保がいた時は、彼自身のポジション取りでスペースを作ったり、マークされたりガッチリ固められた所にわざと縦パスを入れて、相手が取る為に出た所で戻させて出来たギャップを他の選手につかせるようなそういう喰いつかせるパスなどで崩しに行く。
攻められるからこそ、単調になった部分があり、もっと遅攻、攻めないという選択肢を含めた、下がってガチガチに固めた相手に対して攻めるアイデアをもっと用意する事が重要。
ここで負けるとは思わないが、しかし、そろそろ、こういう相手に対する戦い方を日本は身につけていても良いだろう。
とにかく、シンガポールにとって勝ちに等しい引き分けであれば、日本にとっては負けなかっただけで、負けたのと同じくらいの引き分けと言ってもよい。



個人的な個人評
1 川島永嗣 5.0 ほとんどプレーする機会は無し。
19 酒井宏樹 4.5 積極的な仕掛けを見せるも、クロスの精度を欠く。
22 吉田麻也 5.0 セットプレーの時は競り勝てるのだから、もっとシンプルに呼び込んで良かった。
20 槙野智章 4.5 セットプレーでもっと積極的に仕掛けていっても良かった。
3 太田宏介 5.0 良いクロスもあったが、しかし、点には繋げられず。
7 柴崎岳 4.5 引いた相手を崩すアイデアと、パスの判断がまだ物足りない。
8 原口元気 4.5 もしかしたらもっと強引に突破を狙っても良かったかもしれない。
17 長谷部誠 4.5 下がっている相手なのだから、得意のミドルなどを狙って欲しかった。
4 本田圭佑 5.0 悉くシュートをGKに止められた印象があった。
10 香川真司 5.0 何とかしたいという意図はあったが、空回りしていた感があった。
18 大迫勇也 5.0 前線で基点となりたい意図は見えたが、ゴールには繋がらず。
11 宇佐美貴史 4.5 シュートがほとんど枠に飛ばず、とにかく仕掛けるも効果は発揮せず。
14 武藤嘉紀 4.0 ちょっとゲームに入り切れていなかったように思える。
9 岡崎慎司 5.0 裏を狙ったりしていったが、シュートは悉く阻まれた。
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。