2015年09月02日 [08:43]   柔道 | スポーツ | 武道 

野村忠宏引退

先日、柔道の野村忠宏選手が引退した。
五輪で三連覇を達成するなど、天才と称されるも、怪我の影響で、ここ数年は苦労していたが、ついに引退となった。
所謂サラリーマンなどのように定年というものがある職業がある一方、終りが無い職業と言うのもある。
その最たるものは、やはりスポーツ選手なのかもしれない。
何歳で辞めるというものではなく、各々の判断、もしくは、プロであれば、契約されなくなる事で引退という事になる。

その引退一つで、そのスポーツ選手の選手としての考え方のようなものも、見えてくると言えば言い過ぎだろうか?
ただ、人は死に際に、その人の人となりが見えてくるように、スポーツ選手としての終りとも言うべき引退は、その人のスポーツ選手としての全存在が見てくるように思える。
例えば、まだまだ出来るが、自分の選手としてのピークを過ぎた所で、これから衰えていく事を良しとせず引退する者もいれば、ギリギリまで体が動く限り続ける人もいるだろう。
どちらが間違っている、どちらが正しいというものでもなく、それはその人の、そのスポーツに対する考えだったり、思いだったり、人生だったりする。
だからこそ、まかり間違っても、したり顔で辞めるべきだ云々語れば、叩かれるのは当たり前とも言えるだろう。

さて、そして野村選手に関して。
どうこう言える程、彼に関して詳しくはない。
しかし、それであっても、何と言うのか最後の大会の彼は彼らしかったのではないだろうか?
1回戦、2回戦を一本勝ちで豪快に勝ち、そして、3回戦では一本負け。彼の柔道に対する思いが見て取れたと考えるのは錯覚なのだろうか?
昨今、オリンピック化してからの柔道は武道から、JUDOと言うスポーツに変化してきたように思うというのは、以前から何度か書いた感想ではある。
その結果、最近の世界大会のような舞台では、どちらかと言うと、ポイントを取って、後は指導などを受けないようにしながら逃げ切るような戦い方をする選手も出てきている。
確かに、勝つためにそれは一つの方法ではあるだろう。ただ、柔道と言う武道において、それは果たして正しいのか?
「はじめ」の声が掛かった瞬間から、相手を倒す、一本を取りに行く為に戦うべきじゃないかと思うんですよね。
そして、その一本を取りに行くこだわり、それが野村の柔道だったように思える。

ま、柔道の是非を語っても仕方が無いが、ただ、彼自身は最後まで一本を取りに行って、そして、一本を取られて引退した。
実際には、非常に苦労していただろうし、怪我が続いていて、思い通りとはいかなくなったのだろう中で、最後まで柔道家であったのかもしれない。

2000年のシドニー五輪の頃には2連覇して、最強のままでみんなに惜しまれて、かっこよく辞めるんだと臨み、宣言通り2連覇したが、思うところがあり、考え方が変わった。真剣になればなるほど柔道の楽しさは薄れてきたが、それ以上に熱い思いが芽生え、挑戦する勝ちを感じ始め、アテネで3連覇した。とことん柔道と向き合っていこうと続けてきたが、北京の前に大きなけがをして手術をして、そこからはけがの連続、厳しい稽古の積み重ねができなくなった。肩もけがして、右肩の古傷も痛いし、引退すべきなのかな、と。現役を続けることが果たして正解なのか、続けることに罪悪感を感じた。続けてはだめなんじゃないか。父親とミキハウスの社長に相談した。社長は野村君の挑戦には夢があるといわれて、勇気をもらってうれしかった。柔道の師匠でもある親父に、ロンドンの頃は辞めてほしい、苦しんでいるのは見たくないと漏らしていた親父も、こうなったらとことんやれ、と。胸を張って引退しろ、と
柔道野村引退会見(産経ニュース)


先に書いたように、引退と言うのは、それぞれの考え方次第だろう。
ただ、先にも書いたように最後の大会での戦いぶりを、本人にとっては、不本意な出来だったのかもしれないが、それでも、本人の言葉を信じるなら幸せだったのだろう。
そして、その戦いは、先にも書いたように最後まで柔道家として貫き通したものだったんだろうね。
スポーツに限らないかもしれないが、少なくとも何か自分の中で終る時に、こういう心境で終れるように、胸を張って終わる事が出来るようになりたいなと思わされた。
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。