2015年09月23日 [08:06]   サッカー | スポーツ | 日本サッカー 

得点差の考え方

さて、ロシアWCに向けて戦っている日本代表は、3試合を終わって2勝1分で2位につけていて、次のシリア戦に勝てば、漸く首位に立つことが出来る。
順当とは言い切れないが、かといって、問題とも言えない訳ですが、悲観論が多い気もする。
その中で、一つだけ、得点差に関して、少し思う所を書いておく。
日本代表が、初戦でシンガポール相手に引き分けた事で、非常に悲観論が多くなり、カンボジア戦では勝ったものの、3点では物足りないとか、アフガニスタン戦で大勝したものの、もっと出来たとか、悲観論を通り越して、難癖レベルの言い掛かりもいつもながら増えている。
そういった、言い掛かりに関しては、この際、置いておくとして、状況に関して言えば、別に問題がある訳ではない。
そもそも、アジアのこのレベルの相手との戦いにおいては、相手はガチガチに守ってくる。
それこそ、日本のホームでは、相手は引き分けで良し、負けるにしてもどこまで失点を減らせるかという戦い方をしてくるのですから、そんな相手から得点を取る事は、至難の業。
アフガニスタン戦で大勝できたのは、ホームであるから、アフガニスタンも前に出てくる分、得点を取り易くなっただけですからね。
相手が攻めてくる事で、こちらも失点の可能性が出てきてしまうのだが、アフガニスタン戦でも、そこまで危ないシーンは無く、ましてやホームの2試合は、負けると感じたかと言えば全く失点をする恐怖すらなかった。
そういう、相手がFP10人がゴール前に戻ってガチガチに守る様な相手を崩すのに、今の日本代表のメンバーは、どちらかと言うと、岡崎慎や香川真といったスペースがあって活きる選手が前線にいる。
それでは、点を取るのに苦労するのは当たり前であるが、では、例えば、豊田陽や大迫勇のような高さと強さのある選手を前線に2枚並べて、その後ろからこぼれ球を狙って、更に狭い範囲で勝負できる宇佐美貴や南野拓、乾や原口元を並べておいて、一気に前線に蹴ってゴール前に放り込んで押し込めるかどうかと言うサッカーをしていれば、おそらく危なげなく勝って行けるでしょうね。
但し、それをやって、世界レベルどころか、アジア最終予選レベルで通用しなくなるサッカーをしてどうするのかって話であろう。
それよりも、連動性や崩すの色々なイメージを作る意味でも、現状のメンバーでやって、得点が少なくても仕方が無いだろう。
個人的には、ここまで主力を使うのではなく、こういう予選でこそ、新戦力発掘の為に、岡崎慎、香川真、本田圭、長谷部誠、酒井宏、長友佑、吉田麻といった所の半分だけ招集、一応長谷部誠は必ず招集するとして、この辺に、内田篤や酒井高、清武弘といった所の半分を招集しておいて、他のメンバーを組み合わせて試す機会だと思ったんですけどね。
東アジアのような大会では意味がなく、ある程度主力と新戦力の両方が呼べる場で試すべきだと思いましたが、シンガポール戦での引き分けで、思い切った事が出来なくなってしまったように思えますね。

さて、そんな訳で、現状では、問題は無いが、但し、放送等を観ていて危険と言うか、危うさを感じる事はある。
その最たるものが、得点差に関する事であろう。
何故か放送を聞いていると、リードしている事をマイナスにとらえる事が多い。
一番意味不明なのが未だに決まり文句のように言われる「2点差は最も危険な点差」ってやつだろう。
サッカー放送の台本に、2点差になったら必ず言えとでも書かれているんでしょうかね?
確かに、イメージとしては分からなくもないんですよね。2点差ある時に、相手に1点返されたら、攻めて点差を広げるのか、守るのかが分からなくなって逆転されるという話。
但し、これは、見当違いとまでは言わないが、それに近いものがある。
代表はある程度は、即席チームであるので、状況における判断の統一がし辛い部分があるのは分かるが、クラブレベルであれば、もうそんな事は無い。にもかかわらず、そういうJリーグの試合でも同じような事を言うんですから、意味不明ですね。
1点返された時、では、チームとしてどう戦うのか、誰かがリーダーシップを取って決めれば良いだけの話。
そもそも、2点差云々以前に、先のバラバラになったという意味では、ドイツWCでのオーストラリア戦やブラジルWCでのコートジボワール戦で猛攻を喰らった時から同じだろう。
必要なのは、2点差ではなく、チームとして状況に応じてどう戦うかというイメージを共有できているかであり、2点差とかは関係ない。これの反対のパターンとして、一人退場した事で、守るという意志統一が出来て人数が少ない方が勝つ事も往々にしてある。
ようは、何点差かではなく、試合の状況に応じて、どう判断するのかが重要であり、その為に必要なのは、試合を観る目であろう。
であれば、放送において、2点差だから危険ではなく、今の状況がどういう状況かをしっかりと見極めて伝える必要がある。
でなければ、先制された場合、わざと2点目を相手に与えた方が、勝てるのかっていう話だろう。

そして、もう一つ気になるのが、これは、放送だけでなく、まれにHT後に監督インタビューで監督の指示としてあるのだが、1点リードしている側の監督が「このリードを忘れて、今一度やっていこう」と言う発言を聞く。
これは、確かに気を引き締めろという意図であれば分からなくはない。選手も、別に本当にリードを無視する事は無いだろう。
ただ、それをそのまま伝えることで、勘違いが広がっているのも間違いない。
1点リードで折り返した場合、もう1点取らないといけないという訳じゃない。1点勝っているのですから、そのまま終えれば勝利だろう。
当たり前だが、例えば1点差では、リーグ戦として勝ち抜けないとか、他の試合の兼ね合いで負けが決まるというのであれば、もっと点を取りに行かないといけないだろう。しかし、その場合は、1点リードして勝っているのではなく、実質は負けているのですから、当たり前ですね。
このリードをしているのに、それを無視してリスクを冒した結果、折角のリードを失う事になる、そんな事になれば元も子もないだろう。
つまり、リードしているという事実を活かして戦うべきであって、負けている方がリスクを負うなら分かるが、勝っている方がリスクを負う必要は無い。
過去代表戦で、アジア相手に戦っている時に1点リードしている中で、更に2点目、3点目を狙って、無駄にリスクを冒した結果、カウンター一発で失点して勝ちを逃した試合など何度も観た。
先の点差の問題もそうであるが、もう少し試合の状況を踏まえて、それを放送する必要があるだろう。
確かに点が入った方が、盛り上がり、TV放送としては視聴率を稼げるかもしれない。しかし、本来のサッカーを観る人を増やす為にも、サッカーの見方を正しく伝える必要もあるだろう。
そして、それは、スタジアムでの応援にも繋がり、チームとしての安定した戦い方にも繋がっていくだろう。
試合の状況を踏まえて、今はリスクを冒すべきか冒さないべきか、それを的確に伝えることが、本当の意味で日本のサッカーにプラスになる放送だろう。
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    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。