2016年01月11日 [16:27]   全国高校サッカー選手権大会 | スポーツ | 第94回高校選手権 

第94回選手権決勝 東福岡 vs 国学院久我山

2020年東京五輪の中心となる世代が激突した今年度の高校サッカーも決勝戦。
夏冬の2冠をめざし、1998年度以来3度目の優勝を狙う東福岡。
初の決勝進出で、1984年度の両校優勝以来31年ぶりの東京への栄冠を目指す国学院久我山。
かつて東福岡が優勝した際の決勝の相手は共に東京の帝京、東福岡が東京を再び降すか、国学院久我山が帝京のリベンジを果たすのか。

第94回全国高校サッカー選手権大会
決勝 【M47】 埼玉スタジアム2002/54,090人
東福岡(福岡) 5-0 國學院久我山(東京A)
(東福岡) 三宅海斗(36分)、中村健人(47分、80分)、餅山大輝(67分)、藤川虎太朗(71分)
福岡県代表東福岡のスタメンは、1 脇野敦至、2 林雄都、15 児玉慎太郎、5 福地聡太、13 小田逸稀、4 鍬先祐弥、11 三宅海斗、6 藤川虎太朗、10 中村健人、8 橋本和征、9 餅山大輝の4-1-4-1。
東京都A代表国学院久我山のスタメンは、1 平田周、5 宮原直央、2 野村京平、4 上加世田達也、6 山本研、3 知久航介、7 鈴木遥太郎、14 名倉巧、8 内桶峻、10 澁谷雅也、9 小林和樹の4-2-1-3。

東福岡が勝利
立ち上がりから展開が早く、お互いに一気にボールを繋いで全体の動き出しも良く、相手ゴールに迫っていくが、守備でも集中しており崩されない。
どちらも技術の高さを見せて、ミスも少なく、また、両GKが良いだけに、お互いになかなかゴールを奪えそうにないと思われた36分、左サイドで東福岡は作って中に入れたボールを藤川虎が上手くターンしてDFの逆をついて右サイドにパスを流すと、そこに走り込んだ三宅海が決めて、東福岡が先制。
先制されたことで国学院久我山が早めに動き、前半の内に、交代カードを切って流れを変えにいく。
後半開始早々、いきなりの仕掛けでゴール正面でFKのチャンスを東福岡は得ると、味方がブラインドになってキックの瞬間を見せないようにしておいて、中村健が壁の隙間を抜いてファーサイドへと決めて、東福岡が47分、追加点を奪う。
2点リードしてリズムが良くなっている東福岡に対して、国学院久我山はなかなか流れを奪えず、パス回しの前に劣勢になる。
65分、この試合、国学院久我山にとって最大のチャンス、サイドからの崩しで決定機を作り出し波状攻撃を加えるが、東福岡の守備陣も体を張って守る。
しかし、東福岡の方が、カウンターから67分、餅山大が冷静にGKの于時を見極めてループシュートを決めて決定的な3点目を奪う。
更に、東福岡が高い位置でカットして、右サイドから崩して、低いクロスをニアサイドで餅山大がスルー、藤川虎が押し込み、71分、4点目を奪う。
逆襲に出てくる国学院久我山をしり目に、80分、ゴール正面でパスを受けた中村健が右隅にコントロールしたミドルシュートを決めて、東福岡が5点目を奪う。
5点差を追う国学院久我山も最後まで一矢報いようと攻撃するが、東福岡も1点もやらず、逆に6点目を狙う攻めを見せて、最後までお互いに気を抜かない試合は、最終的に5-0で東福岡が優勝。

東福岡が夏冬2冠達成
まずは東福岡高校優勝おめでとう!
史上6度目、自分達でも2度目の夏冬連覇と言う形になったが、本当に東福岡は強かった。
両チームとも技術の高さがあって、簡単なミスをしないというのもあるが、それが、徹底された両チームの中で、最終的に東福岡の方が間違いなく国学院久我山よりも強かったと言えるだろう。
特に守備が良くて、国学院久我山もボールを回してくるので、常にボールを支配できる展開ではなかったが、攻撃を受けてもきっちりと対応する事が出来る。
特に、GKのポジション取りが良くて、国学院久我山にゴールを奪える可能性はほとんど無かったと言えるだろう。
今大会、1失点こそしたものの、その守備の良さ、サッカーは点を取るスポーツであるから、どうやって攻めるのかという事を考えるのは重要である。
しかし、勝ち抜き戦においては、必ずしも点を取らなくても良いという割り切りもあるが、そこまで極端に行くのではなく、攻める為にどう守るのか、それは、今や世界のサッカーの主流であろう。
Jリーグにおいても、今季を制した広島は、守備からの攻撃の形を作れていた、昨季の3冠王者のG大阪も、一昔前の攻撃一辺倒ではなく、守備からの攻撃を作り上げている。
国学院久我山と東福岡も同様に守備からの攻めを作り上げていたが、より徹底してチームとして浸透していたのが、より守備が良かったのが東福岡だったのだろう。
そして、そこから攻める事で点を取っていく為に、誰かではなく、どうやってを追求した事が、今大会で色々な選手が得点を決めたという事に繋がったのかもしれない。
今年度を象徴する、今年度を締めるという意味で、最も相応しく、最も強い優勝校だったと言えるだろう。

経験の差
得点差ほどに内容的には差が無かったように思える。
しかし、この試合、まさに経験の差と言うべきか、先制点を奪い合う所は、まずは互角の展開であり、前半は東福岡が1点リードしながらも内容的に差はなかった。
差が出来たのは後半、次に1点をどちらが取るのかが勝敗を分けるという所で、それを理解していたのが東福岡だったのかもしれない。一気に仕掛けて、セットプレーから2点目を奪った。
それによって、完全に試合は東福岡ペースになった。その後の3得点は、おまけと言うべきか、試合の流れを東福岡が握っていたからこそだろう。
しかも、そこから先の戦い方も、きっちりと集中して手を緩めず、ここぞという所で縦に早い攻めを見せる、また、大きなサイドチェンジで手薄なサイドを攻める、徹底してチーム全体が同じ意図でのサッカーを展開し続けた。
それが出来る経験の差、それは、各選手がIHを含めて、これまで積み上げてきたもの、そして、学校として持っていたものも含めてかもしれないが、そういう試合の流れを読む差と言うのが、この試合の勝敗を決めたように思える。

大観衆の前での経験
先に書いたように経験というのは大きな財産となる。
過去にも、それまでは注目されていなかった選手が高校サッカーの大会を通じて、大きく成長した選手もいる。
確かに、クラブユースが整備されて、上手い選手はクラブユースに流れる傾向にある。
但し、クラブどころか、Jリーグでさえ、5万人を超える観衆の前で試合を出来る機会など、そうそう無い。
そういう経験を積む事、それは、彼らのこれからにおいて、それは、サッカーを続けるかどうかを別にしても大いなる経験値となるだろう。
この試合のピッチに立った選手、ベンチに入った選手の中で、これからプロになってサッカーを続けられるものなど、それこそ数名だろう。ましてや、その中から実際に2020年の東京五輪のピッチに立てる選手が何人いるか。
しかし、そういう事が無かったとしても、こういう大観衆の前で自分の持てる力を出し切った、自分が出来る事をやった、それだけで、彼らがこれから先に何かをする際の自信にもつながるだろう。
それこそが、クラブユースには無く、そして、高校サッカーの大切な価値であり、これからも大切にしていきたいものだろう。
関連記事

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する 
名無し及び発言のたびにHNを変える(固定名を使わない)、元の記事に関係の無いコメントなど一般的なマナー違反が発覚した場合、もしくは、公衆良俗に反するような記述など、管理人の判断で、記入者の了解を得ず、一方的に削除いたします。

    部下D

    Author:部下D
    「闇を○くもの」「狂える○竜」などの二つ名をもつも、著作け…大人の事情で名前をぼかしている小心者の中間管理職員。
    一応魔王らしく、世の中を斜めに、皮肉に批評します。